「機動戦士ガンダムSEED」2000年代最初のガンダムアニメ!新たな戦火が主人公を巻き込む名作アニメです!

まずはこのおすすめ過去アニメのOPをご覧ください!

 

共有元:Bokuy001 様

2000年代になって初めてのガンダム作品!

人気ロボットアニメの最高峰に君臨する「ガンダムシリーズ」の一つで、2000年代最初のガンダム作品でもあります。2大勢力の争いから逃れる為中立コロニーで暮らしていた主人公・キラ・ヤマトが、次第に戦火の渦に巻き込まれてしまう過程を描いており、本人は戦う意思がないのにそうしなければならない運命を悩み・葛藤する物語です。

複雑化している世界観

常にガンダムシリーズの軸になっているのが、2つの勢力がぶつかり主権を取り合う戦争がテーマにある事です。それは飽くまで人間同士の飽くなき欲望の果ての争いであるのですが、本シリーズでは新たな要素として従来の人間を「ナチュラル」とし遺伝子操作で生まれた人間を「コーディネーター」とする旧人類新人類の争いを根底にしています。
身体能力において全てに勝るコーディネーターをナチュラルと呼ばれる側は脅威に感じ、次第に溝が生まれてしまい2つに分かれて戦争にまで発展してしまうのです。

全てに勝るコーディネーターなら相手方を圧倒してもよさそうですが、如何せん数の上ではナチュラルの方が勝っていますから、物理的な所で何とか勝負になっているという具合です。しかもどちらの組織も決して一枚岩ではなく強硬派と穏健派が存在し、更には中立を決め込む「オーブ」という第3国までいるのです。尤もこちらは双方の避難民を公平に受け入れる受け皿になっていますので、地球連合(ナチュラル)とザフト(コーディネーター)両組織から表面上疎まれています。(利害が一致する部分で一時繋がっている事もあるようですが)

コーディネーターは果たして負の産物なのか?

元々より優秀な子供(遺伝子)を後世に残したいという発想から、遺伝子操作による新人類となるコーディネーターが生み出された筈なのに、いざその現実に直面してしまうともしかしたら自分達の居場所を取られてしまうかもという不安が芽生え、異端な存在を排除しようとする力学が旧人類側にはどうしても作用するようです。

それほどまでにコーディネーターの身体能力は秀でたものであり、実際エピソードの中で主人公が自身の操るモビルスーツで大気圏突入という自殺行為と言える無謀を行うも何とか命は助かり、診察した医師は「コーディネーターだからこそ出来た行動で、我々(ナチュラル)なら2分と持たない」と述べています。いつか取って代わられる恐怖からコーディネーターを恐れ慄き亡き者にしたいと考える。人の業というのは誠に悲しく寂しい思想だと言わざるを得ません。双方がもっとお互いを理解し合い尊重しさえすれば、血で血を洗う様な争いは起きなくて良さそうなものだと思うのです。

中立であろうとする主人公だからこそ生まれる、ドラマチックな展開

物語は永世中立国オーブが管理するスペースコロニー「ユニウスセブン」で起こる襲撃事件から始まり、そこで暮らしているキラ・ヤマトもそのトラブルに巻き込まれてしまう事態が生じます。事の発端は秘密裏に開発された機動兵器である「モビルスーツ」の情報をザフトに入手され、まんまと奪取されてしまうのです。開発の事実を知り怒りで泣き崩れる少女に、奪取に来たザフト兵の一人が嘗ての親友であったアスラン・ザラだった事で、お互い思わぬ形での再会に驚かされる訳です。

どちらもキラにとって重要な存在であり、この物語を進行していく上で欠かせぬ存在なのです。親友であるアスランザフトの最高権力者であるパトリック・ザラの御曹司であり、少女は後にオーブのご令嬢であることが判明します。更にもう一人のヒロイン、ラクス・クラインも良いトコのお嬢様とキラを取り巻く人達はまさに華麗なる一族揃いなのです。そしてキラ自身も、出生に大きな秘密を抱えた悲劇のヒーローでもあります。戦いを嫌い安住の地を求めて非戦闘地で暮らす彼の本質は優秀なパイロットの資質の持ち主ですが、如何せんメンタルが弱くて戦果を挙げる度に思い悩んで苦しんでいる気弱な少年だったりするのです。

キラとアスランは互いを慮りながらも敵同士として戦う事になりますが、それぞれの仲間は二人を盛り立てるに十分な働きをしており、彼らの人望の厚さを感じずにはいられません。中でもムウ・ラ・フラガと、謎多きアイマスク男 ラウ・ル・クルーゼ因縁は、物語の重要な要素を担っています。

魅力溢れるMSの数々

やはりガンダムと言えばバリエーションに富んだモビルスーツが躍動する所を、如何に堪能出来るかに掛っています。近年のガンダムや他の人気シリーズもどんどん戦隊化してしまい、「敵も味方も顔がガンダム」になってしまっています。ガンダムシリーズでは度々ガンダム機が盗まれるのを良しとする傾向が見られますので、その結果知らない人が見るとどっちがどっちか判らなくなる側面は残念ながら否めません。

とは言えそれもこのシリーズの定番になりつつありますし、見方を変えればガンダムという機体を心行くまで堪能する事が出来るとも言えます。ガンダムだけでなくザクタイプの機体も出てきますし、決してガンダムだけに固執してはおらず、ある程度バランスを考慮したメカの配分がされていると思います。戦いの舞台は宇宙空間地球圏の大地だけでなく海中砂漠地帯に及びますので、それぞれに適したモビルスーツと、キラが操縦するガンダムがいかに対峙し勝利を収めるかが最大の見せ場になっています。

まとめ

ガンダムという作品はどこか遠い星域で起こる出来事ではなく、人類と地球がもしかしたら歩むかもしれない未来を描くSFである所に、多くの人が惹き付けられていると思います。(私もその一人です)単純にいえばモビルスーツとは「戦争の道具」というカテゴリーからは外れる事はなく、ガンダムも決して例外ではありません。戦争である以上ガンダムがどんなに華麗な活躍をしようと、敵と見做した機体を撃破すればそこには必ず誰かの命を奪うという行為が付きまとう事になります。

主人公はそれに苦悩し葛藤があっても、自分が戦う事を止めたくても大事な人の命の危険があるので止められないのです。「機動戦士ガンダムSEED」でもその構図は揺らぐ事はなく、しかも見知った者同士が戦っていると知っている訳ですから、見る側には余計に悲劇的に映ってしまいます。その矛盾こそがガンダムという世界観を皮肉にも魅力的に演出していて美しくも儚く進み行く作品の結末を見ずにはおれなくなるのです。加えて登場するキャラやメカは容姿端麗スタイル抜群になった事で、従来のガンダムファンだけでなく、女性ファンの獲得にも成功したと言って良いでしょう。

更にナタル・バジルールフレイ・アルスターの両役を桑島法子氏が担当されており、キャラの使い分けの上手さも然る事ながらこの両名が同じシーンで対峙する場面を見事に演じ切られている所は圧巻でファンの間で大きな話題を呼びました。機動戦士ガンダムSEEDは「~DESTINY」へとシリーズ化される事になり、SEEDで起きた悲劇がまた新たな火種を生む形で次の流れを呼んでしまうのです。